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小林よしのり
2016.5.19 09:38政治

権力を失った小泉と「トモダチ」米兵の共闘


従米保守、米国のポチ、ブッシュのイラク戦争を熱烈に支持した

小泉純一郎が、元米兵のために涙を流している映像をネットで見た。

かつては自称保守の星だった元首相が、元米兵のために泣いている。

日本人でこれに同情したり、共感したりする者がいるのか?

アホとしか思えないだろう。

 

わしは不愉快極まりないが、かつてブッシュの盟友だった小泉を

支持してきた日米同盟絶対主義の日本の自称保守は、これを見て

何を感じたのか?

今も米国の「トモダチ」のために泣く小泉に共感するのか?

 

そして東日本大震災の際、米軍による「トモダチ作戦」を褒め称え、

「さすが日米同盟、米軍こそは日本の「トモダチ」だ。日本人よ、

感謝しよう。素晴らしき米軍、真の「トモダチ」を称賛しよう」

と言っていた産経新聞や自称保守連中は、何か言ったらどうだ?

 

元米海軍の兵士ら400人が「トモダチ作戦に従事して被爆した」

と東京電力を相手取り、集団訴訟を起こしている。

この米兵らが言っていることが異常である。

「作戦中から睾丸が肥大して痛かった」って、そんなバカな話が

あるか!

日本人だって除染作業してる者はもっとたくさんいるだろうが、

「睾丸が肥大して痛い」なんて報告はないぞ。

肥大してるのはてめえらの被害者意識だろう。

 

沖縄でも元米海兵隊員、現在は米軍属の男が、どうやら日本人

女性を殺して死体遺棄していたらしい。

米軍・米兵に対して、手放しで「トモダチ」と言っていて本当に

いいのか?

 

恩着せがましくトランプという大統領候補は、米軍基地を日本の

全額負担にせよと言っているが、それも「トモダチ」の本音

だったのか?

 

しかし従米ポチ・小泉純一郎が、元米兵の集団訴訟を支援して

記者会見で泣いている様子は、「権力」を失った男の惨めさを

つくづく見せつけてくれる。

もともとエキセントリックに一つのことを思い込んで突き進む

性格が、「権力」を失うと空回りするばかりで、おのれの無力に

虚しさを感じていたのだろう。

 

古巣の自民党議員からすらも、すでに過去の人としか見られなく

なってしまい、孤独に打ちひしがれていた時にすがったのが、

いかにも怪しい米国の「トモダチ」たち。

まるでいわゆる従軍慰安婦のように、本当に被害者か否かを

確かめもせず、全面的に同情して感極まってしまうその老いの

無残さは、目も当てられない。

こんな奴が「脱原発」を訴えても、迷惑千万なのだ!

 

これを現在の権力者たちが他人事と思っていては大間違いだ。

安倍首相にせよ、自民党の議員たちにせよ、いつかその

権力を手放す時が来るのだ。

そのときはただの人。

権力者は権力を乱用した分だけ、国民の恨みを買っている。

権力に奢る者たちの末路を小泉純一郎に見るがいい。

かつて小泉を熱狂的に支持していた者たちも、小泉と共に

朽ち果てていけ!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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